「登場人物がクズすぎて逆に面白い!」「倫理観が崩壊してるのに、なぜかページをめくる手が止まらない」——そんな経験、ありませんか?
世の中には、正義感あふれる主人公や美談に満ちた物語だけでなく、クズなキャラが物語を引っ掻き回すことで逆に深く心に刺さる漫画も存在します。
この記事では、クズ男・クズ女が登場するおすすめ漫画9作品を厳選してご紹介します。
不快なのにやめられない、胸糞悪いけど面白い——そんな“読後感の中毒性”に浸りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 『ホリミヤ』HERO・萩原ダイスケ(全17巻)
あらすじ
外では明るく成績優秀な堀さんと、クラスでは地味な宮村くん。しかしお互いの“裏の顔”を知ることで、距離が縮まっていく。高校生の青春ラブコメ…かと思いきや、登場人物たちは意外と自己中心的で感情のぶつけ合いも激しく、意外な一面を見せる。
一見さわやかで微笑ましい青春群像劇に見える本作ですが、じっくり読むと人間のドロッとした感情が所々に現れます。
ヒロイン堀さんの独占欲や情緒不安定さ、サブキャラたちのやたらと不健全な恋愛関係など、実は「性格に難あり」な人物が多数登場。
読者によっては「クズっぽい」と感じる要素が多く、だからこそリアルな心理描写に惹かれるのかもしれません。
こんな人におすすめ
- ギャップのあるキャラに魅力を感じる人
- 青春ラブコメの裏側を覗きたい人
- 人間関係のひび割れを描いた作品が好きな人
2. 『スカートの中はケダモノでした。』ハナマルオ(全10巻)
あらすじ
人見知りのOL・小南静歌は合コンで知り合った美人・涼と急接近。しかし涼の正体は“男の娘”で…!? 性別も感情も揺れ動く危うい恋愛が始まる。
「恋愛=誠実」とは限らない。そう感じさせてくれる危険なラブストーリー。
キャラの誰もが自分勝手で、嘘や勘違い、強引なアプローチが飛び交う中、読者はモラルの揺らぎに引き込まれていきます。
とくに涼のキャラクターは魅力的ながらも、人の心をかき乱す“クズ”的な側面もあり、感情をかき回される読後感がクセになります。
こんな人におすすめ
- ジェンダーを絡めた複雑な恋愛に興味がある人
- 自分勝手なキャラの暴走が見たい人
- 恋愛にモラルを求めないタイプの読者
3. 『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~』丘上あい(全12巻)
あらすじ
主人公・爽は結婚6年目の編集者。子どもを望むも夫との意見は平行線。その一方で、学生時代の元カレとの再会が彼女の心を揺るがす。しかし本当の“裏切り”はもっと身近にあった――。
不倫、親友の裏切り、夫の二面性……本作は登場人物の“クズさ”が連鎖的に拡大していく超・泥沼劇。
信頼していた相手が最も信用ならない存在だったという展開には、読者も愕然とします。
道徳観が崩壊した人間模様を描きながらも、それがリアルに思えるのは、人物造形が非常に緻密だからこそ。
こんな人におすすめ
- ドロドロ不倫・裏切り展開が好きな人
- 信じていた人に裏切られる系のストーリーに興味がある人
- クズキャラの心理描写をしっかり読みたい人
4. 『サレタガワのブルー』セモトちか(全13巻)
あらすじ
一見幸せそうな新婚夫婦・暢と藍子。しかし藍子は会社の上司と不倫関係にあり、暢を裏切っていた。不倫が明るみに出るにつれ、ドロドロの復讐劇が始まる――。
“される側”の視点で描かれる不倫漫画という切り口が秀逸。
藍子の行動がとにかくクズすぎて、読者は怒りを通り越して呆れてしまうレベルです。
「人ってここまで身勝手になれるのか…」と人間の闇を見せつけられる構成。
こんな人におすすめ
- 不倫の“加害者側”に怒りたい人
- ざまあ系の復讐劇が好きな人
- 夫婦関係の壊れ方をリアルに見たい人
5. 『あなたがしてくれなくても』ハルノ晴(既刊11巻/連載中)
あらすじ
セックスレスの悩みを抱える主人公・みち。夫婦関係は冷え切り、心のすれ違いは広がる一方。そんな時、会社の先輩・新名との心の交流が始まり、互いに「触れられること」への渇望が芽生えていく。
不倫というより“心の浮気”に近い関係をリアルに描いた本作。
夫婦であるのに触れ合えないことの苦しさと、他人に求めてしまう危うさ。
静かで繊細な描写の中に潜む“クズさ”が秀逸です。
こんな人におすすめ
- 結婚生活のリアルな悩みに共感したい人
- 不倫に至るまでの心理を丁寧に描いた作品が好きな人
- モラルの境界に揺れる人間ドラマを読みたい人
6. 『クズの本懐』横槍メンゴ(全8巻)
あらすじ
周囲から理想のカップルに見られている安楽岡花火と粟屋麦。しかし実は、お互いが叶わぬ恋の代替品として付き合っていた。好きな人には振り向いてもらえず、満たされぬ思いをぶつけ合うふたりの関係は、次第に壊れていく。
“代用品の関係”という、歪な愛の形を描いた衝撃作。
登場人物全員に“クズ”の一面があり、誰にも完全には感情移入できないけれど、なぜか心が掴まれる。
性愛、孤独、承認欲求など、現代の若者の抱える問題を赤裸々に描いた作品です。
こんな人におすすめ
- 人間関係の歪みや不安定さに惹かれる人
- 道徳的にアウトでも“理解できてしまう感情”を味わいたい人
- クズキャラ同士の共依存的な恋愛を見たい人
7. 『ライフ』すえのぶけいこ(全20巻)
あらすじ
高校生・椎葉歩は受験に失敗し、自傷行為を繰り返すように。新しい高校で心機一転を図るも、いじめや裏切りに巻き込まれ、地獄のような日々が始まる。学校、親、友人、恋人——信じていたものに傷つけられていく彼女の再生の物語。
本作は“クズ”という言葉だけでは片づけられない、極限の人間関係と精神崩壊を描いています。
クラスメートの陰湿さや、保身しか考えない教師、無関心な親など、容赦ない描写の連続。
読んでいて息苦しくなる場面もありますが、それだけに歩の成長と反撃には大きなカタルシスがあります。
こんな人におすすめ
- リアルな“スクールクズ”描写に興味がある人
- 人間の負の感情を徹底的に見たい人
- 再生と成長のストーリーが好きな人
8. 『カカフカカ』石田拓実(全12巻)
あらすじ
彼氏にフラれて家を出た寺田亜希は、偶然にも初体験の相手・本行と同じシェアハウスで暮らすことに。再会から始まる微妙な関係。触れ合いたいのに触れられない、そんな“未完成”な恋の形が始まる。
本作のクズさは「自分の気持ちにしか目を向けられない」点にあります。
本行の不器用さや、亜希の自尊心の低さなど、全員が“こじらせ”まくり。
感情のぶつかり合いがあるわけでもないのに、読んでいると心がざわついてくる、不思議な空気感が魅力です。
こんな人におすすめ
- 恋愛に正解を求めない人
- 自分勝手な感情に共感できてしまう人
- 静かに心をえぐられるような物語が読みたい人
9. 『ハッピー・マニア』安野モヨコ(全11巻)
あらすじ
恋に依存し続けるシゲカヨは、常に「運命の人」を追いかけては失敗してばかり。それでも「幸せになりたい!」と突っ走る彼女の人生は、空回りしつつも愛おしい。
クズ女代表といえばシゲカヨ。恋愛に振り回され、自滅していく姿が痛々しいのにどこか愛おしい。
現実にいたら絶対に友達になりたくないけれど、漫画の中でならずっと見ていたい。
「イタいけどわかる」気持ちを刺激されたい人にピッタリです。
こんな人におすすめ
- 恋愛依存体質に心当たりがある人
- イタいけど愛おしいキャラが好きな人
- 自分をちょっと俯瞰で見て笑いたい人
まとめ(総評、読後感、再度の訴求、読者への寄り添い)
「クズな登場人物が出てくる漫画」と聞くと、拒否反応を示す人もいるかもしれません。
でも実は、人間の“負”の部分や本能的な欲望が描かれている作品ほど、読者の心に残るものです。
今回紹介した10作品は、単にクズなキャラがいるというだけでなく、人間関係の複雑さや倫理観とのせめぎ合い、感情の暴走といった深いテーマを内包しています。
だからこそ不快だけど目が離せない、嫌悪と共感が同時に押し寄せてくる。そんな“中毒性”があるのです。
時には、「自分の中にもこんな感情がある」と気づいてしまうかもしれません。
でもそれこそが、漫画という表現のすごさであり、魅力でもあります。
“まとも”なキャラに飽きたあなたへ。
この世界には、どうしようもなくクズだけど魅力的なキャラたちが、今日もあなたを待っています。