今回はラブデスロボットシーズン3の最高傑作として名高い
「彼女の声」の考察記事です。
以下、あらすじと解説・考察、レビューをまとめていきます。
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ラブデスロボットとは?
『ラブ、デス&ロボット』は2019年からNetflixで配信されているアニメシリーズです。
各話15分前後(10分未満の作品もある)のオムニバス短編集。
エミー賞やアニー賞といった賞レースでもノミネート・受賞多数。
製作総指揮を『デッドプール』のティム・ミラーと『ソーシャル・ネットワーク』はじめ傑作映画を撮り続ける巨匠デヴィッド・フィンチャーが務めていることでも話題のオムニバス作品です。
「彼女の声」監督について
この作品の監督はアルベルト・ミエルゴ氏
過去携わった作品ですとディズニーのトロン:ライジング(2013)のアートディレクターや
スパイダーバース(2019)の監督など。
過去にはアカデミー賞、4つのエミー賞、2つのアニー賞等様々な受賞歴も持つ
アニメーションの最先端を行くといっても過言ではない監督です。
また、この「彼女の声」は同作品である「ラブデスロボット」の2作目であり、
シーズン1で「目撃者」を手掛けた監督でもあります。
「彼女の声」あらすじ
以下、「彼女の声」ネタバレ有りのあらすじです。
ただ、この「彼女の声」という作品はあらすじだけでは伝わらない演出や音楽などの魅力が詰まった作品ですので
まだ観ていない方は、まず是非見てみてください!
あらすじ
舞台は中世の時代。
遠征中である騎士団は森の中を歩きます。
そんな騎士団の前に、湖の上に立つ、全身に金や宝石宝飾品を纏った女性が現れます
女に見とれる騎士団達、、
すると突如女は叫び声を上げ、声と踊りで騎士団を魅了します。
声を聞いた騎士達は女に魅了され、
我を忘れ、我先へと周りの騎士を殺してでも先へと湖の中心に立つ女の元に走り出します。
互いに殺し合い、そして甲冑の姿のまま湖の底へと沈んでいく騎士たち。
そんな中、唯一耳が聞こえない騎士が一人だけ生き残ります。
騎士は最初は逃げようとしますが、女の腕から金がはがれ落ちたのを見て、彼女を追うことに。
女は騎士を誘惑しますが、騎士は聞かず隙を突いて女を殺し、
彼女の身にまとった黄金や宝石でできた皮膚を剥ぎ取り走り去ろうとします。
彼女の血は川を赤く染め、川に沿って流れていきます。
途中、疲れて眠っていた騎士の耳に突如として聴力が身に付きます。
突然の聴力にパニックになる騎士の前に再び女が現れ、
自身のみじめな姿を見て苦悶しながらも声を振り絞り、
男を魅了、聴力の戻った男は彼女の声を聴き気が狂い騎士は溺死するのでした。
男に魅了が効かなかった/魅了が効いた理由
次に男の作中の動向を考察していきます。
騎士団の中で唯一「彼女」に魅了されなかった男ですが、
これは彼が難聴であることから「彼女の声」が届かず
結果、彼女に魅了されず一人だけ生き残ることができました。
これは、彼のシーンで音楽が止まったりした点からも視聴者に分かりやすく描かれていたかと思います。
では、物語の後半、難聴だった彼は何故難聴が治り結果彼女の声が届く様になってしまったのか
その理由を考察していきます。
魅了が効いた理由
彼に魅了が聞いた理由として考えられる理由は
彼女の「血」の効果によって難聴が治ったというものです。
物語中盤、男は彼女を殺し金品を奪います。
彼女の死体は川へ流れ
そしてある瞬間から死体は一気に川を彼女の血で赤く染めます。
その後、疲労した男は川の水を一口飲みますが
川の水を飲んだ瞬間気を失い
目が覚めると聴力が戻っていました。
この前後関係からやはり「彼女」の血による効果によって
聴力が戻ったとみるのが自然なのではないかと思います。
「彼女の声」考察 彼女はなにか?
・人魚説
「彼女」の正体としてやはりこの人魚説が一番濃いのかなと思います。
人魚は、人間と魚類の特徴を兼ねそなえ、水中に生息するとされる伝説の生物。
一般的には「人間の上半身に魚の下半身」という特徴を持ちます。
人魚の特性として「歌で人の心を魅了する」能力があります。
人魚の声を聴くと人魚に魅了されてしまいます、その結果、海上で人魚と出会い多くの船が沈没したとされています。
この物語でも彼女の声を聴いて男たちは魅了され、湖の底へと沈んでいきました。
また、その他にも人魚の特性として、肉が不老長寿の効能をもつとの俗信もあります。
肉自体に不老不死の効果があるとすれば、血にも治療する効果があるのも筋が通ります。
・バンシー説
バンシーはアイルランド・スコットランドに伝わる妖精です
近い内に人死が出る家のそばに現れ叫び声や泣き声を上げます。
アイルランドやスコットランドでは出産により早くに死んだ女性の霊だとされ、
血塗れの男の死に装束を川で洗濯するとされています。
他作品の影響で叫びや声を聴くと死に至るといった印象のある怪異ですが、実際は彼女の声を聴いて死ぬのではなく
元々死が確定している家にバンシー来て死を伝えるという妖精のようです。
また、原典では彼女の声の「彼女」のように魅了の能力はないためちょっと違うのかもなという印象です、、
ただし、セイレーンや人魚は海の怪異なので唯一湖や川に現れる怪異ということで一応ピックアップ
あと舞台は明言されてませんがちょっとケルトっぽさも感じます。
レビュー
以上、彼女の声をいろいろ考察してみました。
この作品がラブデスロボット シーズン3最高傑作と言われているようですが
何がすごいって魅せ方がすごかったですね、、
音楽、カメラワーク、ダンス、効果音
すべてが計算されており
一心不乱に彼女の元に向かう
騎士達の臨場感がすごかったです
ちょっとグロ注意な作品ですが
すごいものを観させてもらったという感想です。
ラブですロボットシーズン3の全話の感想は以下にまとめていますので良ければ併せてご覧ください!
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